御 祭 神
木花開耶姫命
(
このはなさくやひめのみこと
)
、木花咲耶姫命、又の御名は
神吾田
(
かみあがた
)
鹿蘆津
(
あしつ
)
姫
(
ひめの
)
命
(
みこと
)
は、
大山祇
(
おおやまつみの
)
命
(
みこと
)
の第二女、天孫、
天
(
あま
)
津
(
つ
)
彦彦
(
ひこひこ
)
火
(
ほの
)
瓊々
(
ににぎ
)
杵
(
の
)
尊
(
みこと
)
の御妃である。始め天孫日向に降臨され、
笠狭
(
かささ
)
の
碕
(
みさき
)
に到り、海浜に遊幸されたとき、1人の美女をご覧になった。それが木花開耶姫命であり直ちに召して妃とされた。姫命は唯一夜にして孕み給うたので、天孫「如何に我は
天神
(
あまつかみ
)
の子であるとはいえ…」と疑われた。よって姫命は戸の無い産室を作り、誓って曰く「吾が生める、若し天神の御子にあらずば必ず灯け
亡
(
う
)
せなむ、是れ若し天神の
胤
(
みこ
)
ならば、
害
(
そこな
)
わるる事無けん」としてその室に火を放たれた所、産み給う御子達は全て
害
(
そこな
)
われる事無く、名乗りをあげて生れ、その数は三
柱
(
はしら
)
であった。天孫は大いに喜ばれ姫命の霊威あるを、御子達の超倫の気あるを示すものと祝賀された。
かくて姫命は「貞操の女神」としてその崇高美を尊び御名によって清く美しく、家運隆盛と商売繁盛を祈誓してその守護を乞い、結婚、安産の守護神として敬われている。
宇治には神おわす 中をば菩薩御前 橘小島のあたぬし 七宝蓮華はをしつるぎ
(
梁塵秘抄
(
りょうじんひしょう
)
巻第二四句神歌百七十首 二七一番)